EMAモバイルコンテンツ審査・運用監視機構
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第28期東京都青少年問題協議会答申素案

「メディア社会が拡がる中での青少年の健全育成について」答申(素案)に対するEMAの意見

2009年12月10日
東京都青少年・治安対策本部総合対策部
青少年課計画調整係 御中

「メディア社会が拡がる中での青少年の健全育成について」答申(素案)への意見

一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構
東京都港区西麻布1-4-38千歳ビル3F
一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構は、モバイルコンテンツの健全な発展と、青少年の発達段階に応じた主体性を確保しつつ違法・有害情報から保護することを目的として2008年4月に発足した第三者機関です。

この度の答申(素案)作成に対する関係者皆様のご努力に敬意を表すとともに、意見提出の機会をいただき大変感謝申し上げます。答申(素案)につきまして、第三者機関として活動している立場から、以下のように意見を提出いたします。

十分なご検討をいただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
  1. 全般について

    青少年に対するインターネット上の違法・有害情報対策については、かねてより関係各所において議論され、現在、日本全体で取組が進められている。これらの対策については、青少年への配慮と共に表現の自由とのバランスを考慮し、表現の内容の規制にかかわる部分については、民間主導で行われることが現在了解されているところである。

    特に青少年の携帯電話によるインターネット利用については、平成19年11月26日から1年以上をかけ、総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会(以下「検討会」)」において具体的かつ網羅的な検討がなされた。その結果、平成20年4月25日の総務大臣要請により、民間による自主的な取組が実行されている(※)


    総務大臣要請で求められている民間による自主的な取組としては、携帯電話のフィルタリングサービスが持つ画一性、非選択性という欠点を改善するため「民間の第三者機関により、公正かつ透明な形で、青少年保護に配慮したサイトを認定し、フィルタリングによる閲覧制限を解除する」ことがある。

    平成20年6月に制定された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年インターネット環境整備法)においても同様に民間の取組を尊重することが基本とされている。例えば、第30条には「国及び地方公共団体は、次に掲げる民間団体又は事業者に対して必要な支援に努めるものとする」とあり、「青少年有害情報フィルタリングソフトウェアにより閲覧を制限する必要がないものに関する情報を収集し、これを青少年有害情報フィルタリングソフトウェアを開発する事業者その他の関係者に提供する活動を行う民間団体」もその一つとして同条第6項で定めている。

    また、同法第3条は、第2項において「青少年がインターネットを利用して青少年有害情報の閲覧をする機会をできるだけ少なくすることを旨として行わなければならない」とすると同時に、同第3項では「自由な表現活動の重要性及び多様な主体が世界に向け多様な表現活動を行うことができるインターネットの特性に配慮し、民間における自主的かつ主体的な取組が大きな役割を担い、国及び地方公共団体はこれを尊重すること」を規定している。

    さらに、同法成立時の参議院の附帯決議には「インターネットが、青少年を含む全ての人々にとって、社会参画と幸福追求のための極めて重要な手段となっていることに留意し、個人や少数者を含む多様な主体がインターネットを利用した表現の自由、多様な情報に関する情報発信やアクセスを不当に制約することのないようにすること」及び、「インターネット上の違法情報対策については、本法の措置に基づく民主導の取組を注視すること」が明記されている。

    また、国際的にも、平成21年6月に総務省と国連の専門組織である国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)により共同開催された「安心・安全なインターネット環境整備に関する戦略対話プログラム」において、国際的指針として「東京声明」を宣言し、今後の青少年保護計画について「民間における自主的取り組みの推進」があげられており、民間における自主的取組の重要性が了解されているところである。

    貴協議会の答申作成においては、これら国や国際的な取組及び「青少年インターネット環境整備法」等の関係法令に則り、青少年保護を目的とした違法・有害情報に対する民間の自主的・主体的な取組を、地方公共団体として尊重し支援すること求める。法規制や行政権の行使を求める場合には、それが必要となる根拠を提示し、必要な限度を超えた過度な規制とならないかについて十分な検証が行われることを求める。

  2. 答申(素案)個別記載内容について

    No.該当頁該当箇所/EMAの意見
    11頁
    13行目
    該当
    箇所
    「はじめに」
    「国も、本年4月にいわゆる『青少年インターネット環境整備法』を制定」
    EMAの
    意見
    「青少年インターネット環境整備法」の制定は、平成20年6月であって、本年4月1日は施行日であり、記載は誤りであるため修正を求める。
    211頁
    32行目
    該当
    箇所
    「携帯電話等事業者に向けた『カテゴリー選択基準に関する意見書』を発表」
    EMAの
    意見
    フィルタリングサービスは、カテゴリー選択の基準を示した第三者機関とシステムを提供する携帯電話事業者だけでなく、サイトのカテゴリー分類を行っているフィルタリング会社やカテゴリーを選択する利用者によって成り立っているものである。よって当意見書は携帯電話等事業者のみに向けて発表したものでないため、この意見書内に記したとおり、「サービス利用者、携帯電話事業者及びフィルタリング会社に向けた『カテゴリー選択基準に関する意見書』」と修正することを求める。
    312頁
    3行目
    該当
    箇所
    「平成21年3月、(中略)実質的に出会い系サイト化しているコミュニティサイト(中略)必要に応じて適切な対応を行うとしている。」
    EMAの
    意見
    4月27日付で、当機構はプレスリリースにおいて「『不健全な出会いにつながる書き込みと判断したため』警視庁が削除要請をしたとの一部報道に関して、かかる事実は確認されませんでした。また、本認定制度による認定サイト運営事業者については、不健全な出会いにつながる書き込みの抑止に対して自主的な取組を強化していること、今後もその取組を継続する意向であることを確認いたしました。」と発表した。ここで示すとおり、「実質的に出会い系サイト化している」という記載は、前提となる事実を誤認しているか、ミスリーディングであるため、当該部分の削除を求める。
    426頁該当
    箇所
    「(2)フィルタリングの実行性の向上」「ア 問題点」
    「しかしフィルタリングをかけていればそれで安全と言うわけではない。現在、サイトの健全性を判断する第三者機関が認定したコミュニティサイトについては、各携帯電話等事業者はフィルタリングの対象から外している。しかしこうした認定サイトにおいても、青少年が犯罪等に巻き込まれる事件が発生していることも事実である。」
    EMAの
    意見
    「金銭的な悪影響」、「長時間依存状態」、「ひきこもり」、「健康被害」などの問題は直接的には認定制度と関連するものではなく、これらの問題と認定制度を結びつける表現は、認定制度に対する重大な誤解を生じさせるため削除を求める。なお、これらの問題とフィルタリングに関する根拠と検証結果も示されていない点をも合わせて指摘しておく。
    526頁該当
    箇所
    「ア 問題点」
    「認定サイトであっても、アバター等のアイテム利用により多額の費用がかかり、料金を払い切れず犯罪に手を染めるという金銭的な悪影響や、無料オンラインゲームへの長時間依存状態により、ひきこもりや健康被害となる問題も認識されている。」
    EMAの
    意見
    「金銭的な悪影響」、「長時間依存状態」、「ひきこもり」、「健康被害」などの問題は直接的には認定制度と関連するものではなく、これらの問題と認定制度を結びつける表現は、認定制度に対する重大な誤解を生じさせるため削除を求める。なお、これらの問題とフィルタリングに関する根拠と検証結果も示されていない点をも合わせて指摘しておく。
    627頁該当
    箇所
    「イ 保護者へのアプローチ」「(ア)フィルタリングに任せきることの危険性や、認定サイトに関する情報の提供を行う。」
    「第三者機関が、認定基準や、認定サイトの認定理由等の情報を積極的に保護者にフィードバックし、フィルタリングの実状について保護者の認識を深めていくことが望ましい。」
    EMAの
    意見
    認定基準及び概説書等によって認定理由等の必要な情報は十分に提供しているが、引き続き情報提供に努める所存である。広報活動には関係各所の協力が必要であり、是非ともご協力いただきたい。
    728頁該当
    箇所
    「(エ)フィルタリングから除外されるべきサイトの基準について、実態に照らし、青少年が実際に被害に遭わないものにするため、条例への規定や第三者機関への要請等を行う。」
    「第三者機関(EMA)による認定を受けたコミュニティサイト等を利用した青少年が犯罪に巻き込まれる等の被害が発生しているが、この背景には、第三者機関が考える『青少年にとって健全なサイト』と、実際に『青少年にとって安全なサイト』との違いがあるものと考えられる。」
    EMAの
    意見
    上記記載は、「青少年にとって安全なサイト」の内容に関する検証がされないまま、第三者機関の認識が異なる旨指摘しているものであり、誤解を招く表現であるため、修正を求める。
    829頁
    2行目
    該当
    箇所
    「たとえ出会いを目的としたコミュニティであったとしても、サイト運営者が書き込み内容に対して適正な監視や削除を実施するなど子どもの安全に十分配慮しているならばフィルタリングの対象とすべきではないという考え方をとる場合がある。」
    EMAの
    意見
    EMAの認定基準において「不健全な出会い」を目的とした投稿については、削除要件として明確にしている。「出会いを目的としたコミュニティをフィルタリングの対象とすべきでない」という考えを表明したこともなく、明らかな誤認と思われるため削除を求める。
    929頁
    6行目
    該当
    箇所
    「現実問題として、そのような認定サイトの利用を通じて実社会において被害に遭う青少年が発生している限り、保護者の立場からは、フィルタリングの対象とすべきではないかとの声も上がっている。」
    EMAの
    意見
    そのような危惧を抱く保護者の要望を満たすために、フィルタリング方式が選択可能となり、フィルタリングのカスタマイズ機能も整備されている。保護者の意見に基づき青少年の発達段階に応じたサービスの選択ができる多様性が整っているにもかかわらず、条例によってフィルタリングの水準を一律に規定することは妥当ではないため修正を求める。
    1029頁
    11行目
    該当
    箇所
    「『実社会において青少年にとって違法・有害な行為が行われる機会を最小限に留めること』等、望ましいフィルタリングの水準に関する規定を条例に盛り込むなどして、フィルタリング開発事業者及び第三者機関に対して注意喚起を行う必要がある。」
    EMAの
    意見
    公的機関がフィルタリングの水準を規定することは、憲法で保障された表現の自由に対する制約となる可能性があり、十分な検証結果に基づく根拠と当該手段が過度な規制とならないことを示すべきである。なお、前項及び前々項で説明したようにその根拠として示されたものは事実誤認であり、かかる誤認に基づき、かかる手段を推奨することは不適切である。
    また、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画」では、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための取組を行っている民間団体又は事業者に対して、次のとおり、その自主的、主体的な取組を最大限尊重し、有害情報の判断や、フィルタリングの基準設定等に干渉することなく、技術開発の支援を含む財政支援などを実施する。」とされており、東京都が条例においてフィルタリングの水準を盛り込むことは、当該計画からも逸脱するものである。
    1129頁
    19行目
    該当
    箇所
    「不適切な目的による青少年の検索や年齢詐称等が可能なまま改善の見られないコミュニティサイトについても、第三者機関の認定を受けてフィルタリングの対象から除外されることのないよう、認定基準の見直しを求める。」
    EMAの
    意見
    例示されているような行為はサイトの利用規約に違反した利用者の違反行為であり、認定基準とは無関係であるため削除を求める。
    1229頁該当
    箇所
    「(オ)第三者機関認定サイトを標準設定で閲覧可能にしてしまうフィルタリング方式の在り方について、携帯電話事業者に対して見直しを要請する。」
    「コミュニティ機能を有したサイトについてはフィルタリングにより遮断することを基本とし、第三者機関認定サイトの中で保護者が閲覧しても良いと判断したサイトについてのみ、後から閲覧可能にできるような仕様にすることについて検討するよう、携帯電話等事業者に対し要請していく。」
    EMAの
    意見
    当答申(素案)の5頁 「エ ネット・ケータイのポジティブな影響」には、コミュニティサイトが青少年の精神的な支えとして機能していると明記されている。しかし、青少年の利用を一律規制しなければいけない根拠と検証結果については示されていない。また、現状の方式は、総務省「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」において様々な有効性を検証した結果、総務大臣の要請によって進められた施策である。見直しを要請するのであれば、その必要性に関する十分な根拠とそれが過度の規制とならないことについて検証を求める。

    PDF 第28期東京都青少年問題協議会答申素案に対するEMAの意見(PDFファイル、24KB)
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