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EMA事務局通信285

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EMA事務局通信285                    2012/07/05

  ■□ 【 コ ラ ム 第 18 回 】
 
       『 青少年条例の歴史が教えるもの 』

         京都大学大学院 准教授 /
         EMA諮問委員会 委員 曽我部 真裕
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会員及び関係者各位

モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)事務局です。
平素は当機構の活動にご協力いただき誠にありがとうございます。

コラム第18回は、EMAの諮問委員会で委員としてご協力いただいてい
る京都大学大学院 准教授 曽我部 真裕先生にご執筆いただきました。

『 青少年条例の歴史が教えるもの 』をお届けします。

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       『 青少年条例の歴史が教えるもの 』
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京都大学大学院 准教授 /
EMA諮問委員会 委員
曽我部 真裕

本コラムの読者の多くは、それぞれの立場で、青少年がネットを利
用する際に遭遇する恐れのあるコンテント・リスク、コンテンツ・
リスクの問題に取り組んでおられるものと思われる。しかし、周知
のことであろうが、これらのリスクはネットの普及とともに初めて
顕在化したものではない。


この問題への法令上の対応として重要なものに、ほぼすべての都道
府県で制定されている青少年条例(青少年健全育成条例)がある。
この条例は、青少年の健全育成に有害な図書、雑誌、DVD、ゲーム等
の青少年へのアクセスを規制し、ゲームセンターや成人映画館等へ
の青少年の立ち入りを制限するとともに、青少年に対する「淫行」
を処罰するなど、今日の法令の中でも、コンテント・リスク、コン
テンツ・リスクの両面に渡ってもっとも包括的な対策を行うもので
あるといえる。読者には、近年多くの条例で導入された、携帯電話
のフィルタリング解除を制限する規定などはおなじみかもしれない。

さて、このような内容を持つ青少年条例は、昭和20年代中ごろに一
部の県で制定されたのを皮切りに、その後全国に広まったものであ
る。そして、悪書追放運動、ポルノ・コミック追放運動、ブルセラ
問題など、社会的な注目を集める動きがあるたびに新たな規制が追
加され、今日ではあたかも増築を重ねた建物のような様相を呈して
いる。最近では、アニメや漫画を標的とする2010年の東京都条例改
正をめぐる動きが記憶に新しい。

家庭環境の改善支援やリテラシー教育が重要であるのはもちろんで
あるとしても、同時に、一定の規制も必要であることは否定しがた
く、その意味で青少年条例の存在は重要である。しかし、60年を超
える青少年条例の歴史を振り返ってみると、時代に適応した改正が
なされてきた一方で、青少年の生活のあまりにも急激な変化に過剰
反応したとも思われる改正(あるいはその動き)もなかったわけで
はない。


この問題は、古くて新しい問題である。デジタル時代にあっても、
このような青少年条例の歴史やその教訓を学ぶことは、課題により
賢明に対処する一助となるのではないだろうか。

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【曽我部 真裕(そがべ まさひろ)プロフィール】
京都大学大学院法学研究科准教授。司法修習生、京都大学大学院法
学研究科講師を経て現職。専攻は憲法、メディア法。本文と関連す
る最近の論文として「青少年健全育成条例による有害図書類規制に
ついての覚書」
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/155453
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 ≪コラムについて≫
 「青少年のインターネット利用」をテーマに配信していまいり
 ます。EMA事務局通信をご購読いただいている皆様と広 範且つ
 深い知識・情報を共有することにより、さまざまな角度から
「青少年のインターネット利用」について考えていきたいと思
 っております。

 コラムへのご意見・ご感想・ご要望等ございましたら、ぜひと
 も事務局までメールにてお寄せください。

     宛先:EMA事務局
     メールアドレス:jmk@ema.or.jp

どうぞよろしくお願い申し上げます。
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